歩論野亭日常

阿寒湖の辺りで

2020年4月13日

朝に妻の作ってくれたアサリのパスタが素晴らしく旨かった。 二人で朝食をとりながら見たNHKの番組は、東京の御岳山神社の神主一家の継承の話で、弓を使って踊る神楽は、とてもアイヌのク・リムセに似ていた。でも「神への奉納の舞」という意味では一緒だし…

2020年4月12日

今日は久しぶりにぐっすりと眠れた。夢の記憶もない。目覚めたらとてもいい天気だ。青空と森と雪のコントラストを楽しみながら出勤。 店についてまずは、と血圧を測ると結構高い。しかし正確に測れていない可能性もある。 貰った行者ニンニクを卵とじにし、…

2020年4月11日

生まれ育った大町の家の二階で一人で大盛りの飯を食う夢を見る。 今日は土曜日、夜にはノリムラさんたちが来るので、店は開けなければならないし、ちょっと片付ける必要があるから、早めに店に行く必要があった。 パン一枚とバナナを一本、あと紅茶を飲みな…

海別の若い羆が自ら語った話

いつの頃からか私は知床の海別岳の森の中で 母と兄弟と暮らしていた 春に母と兄弟と暖かい家の中から出てくると それからは天が私たちのために用意してくれた 行者ニンニクや蕗の若葉 ドングリや山葡萄 無数にいる鹿や魚 キノコや虫 それに甘い蜂の巣やコク…

ありがとう

年が開けて、あっという間に怒涛の一月も終わり、やれやれゆっくりできそうだ、なんて考えながら日々を過ごしていたらもう二月の三分の一が終わってしまう。このままではあっという間に冬が終わって山菜の時期がやってきそうだ。あんな事やこんな事をやりた…

東さんへ

尋ねればいつだってその佇まいに虚栄も傲慢も自虐も見えない、いつもただそのままにあり、そしてまるで人の魂の色や形が見えるかのようでありながら、なんの含みもなく正面から向き合うように力強く握手の手を差し出してくれる姿が、いつでもありありと思い…

黒い影

昨夜twitterで怖くてとても面白い話を読んだ。 http://s.ameblo.jp/tsurugimikito/entry-12192236274.html それに触発されて昔実際に俺が経験した話を書く。友人たちは聞いたことがある話だとは思うが。十年ほど前の、ある夏の夜の話である。 観光シーズンの…

身の回りの素晴らしいものたち

ツイッターを開いたら「妻が「自分の洗い物の並べ方はあまりにも素晴らしいのに誰も分かってくれなくてむなしい」と言っていた。そう言われて見てみると、確かに小さい皿から大きい皿に鮮やかにグラデーションしていく姿、器の重なりの平行性は機能美を併せ…

七月下旬はなんだか閑散としていた阿寒湖も、 やはり八月は忙しく、 ポロンノもありがたい事に毎日お客さんに恵まれて、 毎日朝から仕込みをして、 帰るのは夜も遅くなってから、という毎日。 楽しい事も多いけど、 自転車に乗って山に行ったり、 キノコを探…

6月26日

2015年6月26日。 この日はアメリカ合衆国に住む多くの人たちにとって喜びの日となった。 連邦最高裁判所が同性婚を認める判断を示し、全米で事実上、同性婚が合法化されたからだ。 http://www.fashionsnap.com/the-posts/2015-06-27/johnroberts-amer…

あれから4年

記録的な大雪の冬も終わり、 打って変わって暖気の4月5月には急ぎ足でいっぺんに山菜が生えてきて、 バタバタと山菜採りに追われた春も峠を越えて、 もう阿寒の山々は濃い緑に覆われている。 そして息つく暇もなく、明日は待ちに待ったラビラビさんたちの…

さよなら、床さん

床ヌプリさんの葬儀、これにて終了。お疲れ様でした。 通夜はみんなで見た赤塚不二夫と床さんの番組のシマフクロウの神話みたいに美しいエピソード、うちのお父さんと藤戸竹喜さんの歌った熊彫りさんの歌、その歌に象徴されるような荒削りでエネルギッシュな…

Youは何しに阿寒湖へ?

実は俺にとって、 シンクロニシティ事象収集が密かなライフワークの一つなのであるが、 先日弩級の事例が発生した。 それについて記したいと思う。 ことの始まり、連鎖の入り口は、 厳密にいえば8月29日に札幌の友人に電話した時から、ということになるだろ…

夏なんです

八月。連日三十度近い気温の阿寒湖。 暑くなると、俺ははっぴいえんどの「夏なんです」が聴きたくなる。 この曲を聴くと、今よりも地面に近いところで生きていた子供の頃の灼熱の夏休みにあったいろんなことを思い出し、ノスタルジーにたまらない気分になる…

「テイヤール・ド・シャルダンの日記、手帳、書簡集」より

"わたしは人間の造ったさまざまなものの決定的かつ絶対的な価値を認める。それらはいずれ消えさり、われわれがまだ知ることのできない、まったく新しい全体に鋳なおされるだろう。同時に、それらは本質的に暫定的な役割を持つものである。それらは、われわれ…

雑感2014.6.9

「俺たちの意見に反対?ってことはお前はあいつらの仲間か? 俺たちの敵だ、そうにきまってる!」 的な論法を使う人、SNSで可視化されてるだけで実際にはそんなに多くないのかもしれないけど、なんかよく見るし嫌になるな~。議論は議論、なんらかのテーマに…

わかった時には遅かった話

阿寒湖に住み始めた頃は、 自然に何の興味もなく、 山菜なんてほぼ食べたこともなかった。 しかしうち妻の一家は山菜採りキノコ狩り大好き、 アイヌ精神に基づく自然大好き一族で、 近所おじさんおばさん達も山に入るのが楽しみな人が多く、 自然と連れて行…

不惑

今日、四十歳になった。 数年前からこの日のことを意識し始め、 それまでにやらなければならないことを色々と考えていたのだけど、 とうとうなんとなくあっさりと、今日がやってきてしまった。 あーあ。多分死ぬまで、俺こんな感じだ。 まあしかし、こうあり…

スーダラ無限地獄

ある朝呉郡三郎がなんともいえぬ不快な悪夢から目覚めてみると、自身が一匹の虫、種類でいうならば玉虫に変じているのに気がついた。 これはまだきっと夢が続いているに違いない、と三郎は思った。なぜなら自分は確かに人間で、昨夜の事もよく憶えている。閉…

衝動と行動

お盆の盛りもどうやら過ぎたようだ。 店は未だ油断ならざる状況なれども、 山から吹き下ろす風に漂う初秋の雰囲気の前にキノコ採りへの止み難い衝動を覚え始めてはや数日。 札幌からやってくる敬服するA師の阿寒来訪をこれ幸いと大義名分に、 ついに先日今シ…

「風立ちぬ」感想

「生きろ」というコピーの「もののけ姫」以降、宮崎駿監督作品から俺は一貫して「このどうしようもない世界で、それでも生きて行け」というメッセージを感じている。 たとえば、蝦夷の純粋な若者アシタカが見たのは、敵対し合うそれぞれに生きていく為の止む…

FREE DOMMUNE

昨日は7月の連休初日。しかも天気は快晴、完璧な快適さ。これぞ北海道の7月である。こんな日に外に出ないのはもったいないわけで、多くのご来店があった。 昼は一時混雑が続き、満員の席を見て沢山のお客さんが帰ってしまった。申し訳ない。残念だ。 そんな…

初めてのトゥレプタ

ポロンノのおつまみの可能性を模索するべく、今日は朝から妻とトゥレプタ、つまりオオウバユリの鱗茎掘りとフキ採りに出かけた。 オオウバユリはこの時期になると球根にデンプンを最大に溜め込む。これより早いとデンプンの量が足りず、しかも味が青臭い。こ…

おつまみ考察

マリモヒートというご当地カクテルを我らがポロンノででも出すことになった。 これにポッチェピザはけっこう合うと思うけど、やはり何か他にもこのカクテルに合いそうなものが欲しいような気がする。 「モヒート つまみ」でググると、多いのがカルパッチョ。…

若者たち

Twitterの影響で昨日から「あまちゃん」を観始めた。 宮城出身の宮藤官九郎の脚本、福島出身のDOMMUNE FUKUSIMAなどでも活躍するあの大友さんが音楽の、三陸海岸は久慈を舞台とするドラマということで、岩手の人間としては必ず観ようとは思っていたが、あま…

注意一秒

スキー場ダウンヒルの最後に気を抜いた一瞬で足首を負傷。 結構ひどい捻り方で、晴れも酷いし痛みも強い。 足を怪我するとダメだねー。なんにもできない。 しかもなんか年々怪我の治りが悪い気がする。 まあでも、骨折とかじゃなくて良かった。自転車も壊れ…

3つのトライアングル

4年前の7月8日、Perfumeの傑作2ndアルバム「⊿ トライアングル」が発売された。記念日の今日は店でずっとこのアルバムを聴いていた。CDは通常、発売日の前日に店頭に並ぶので、4年前の俺は7月7日に釧路に走り、このアルバムを期待を胸に買いに行ったものだ。 …

抜け殻

昨夜はミッチパイセンが要くんと飛鳥、そして羽賀先輩を連れて来てくれて一緒に飲んだ。前から「要くんは郷ちゃんと話合うよ」といわれていたので会えるのを楽しみにしていたんだけど、実際に合って話してみたら歳もおんなじ、音楽の趣味も大竹伸朗好きなと…

至高のPerfume体験

7/5の閉店後夜22:00。 釧路のPerfumeにガチな男たちが、翌朝4:00から札幌ファクトリー・ユナイテッドシネマ札幌で挙行されるPerfumeの初のヨーロッパツアーロンドン公演のライブビューイングに参戦する為、阿寒湖を出発した。 ガソリンの不安から音更まで下…

決戦の金曜日

この夜がだんだん待ち遠しくなる はりつめた気持ち後押しする この夜をどんどん好きになってくる 強大な力が生まれてる 今日は雨と曇りが行ったり来たり。 お客さんはぼちぼち。 合間に自転車練習をしながらも、 気持ちはどんどんじりじりと、 期待と不安と…