歩論野亭日常

阿寒湖の辺りで

2020年4月11日

生まれ育った大町の家の二階で一人で大盛りの飯を食う夢を見る。

今日は土曜日、夜にはノリムラさんたちが来るので、店は開けなければならないし、ちょっと片付ける必要があるから、早めに店に行く必要があった。

パン一枚とバナナを一本、あと紅茶を飲みながら、ずっとスマホを手放さずに、ここのところの依存であるコロナウィルスに荒れ狂うSNSを見るのがやめられない。

休業要請の出た東京の夜の街に、警棒を手に持った警察がパトロールし、街ゆく人に注意喚起するニュースを見た。警棒を持つ理由はなんなのか。

昨夜アップした写真、ドイツは120万円もらえるが日本はマスク2枚だけ、という画像が、ドイツの金額がどうも怪しいので削除する。どうも衝動的であり、ネットとの付き合い方としては危険だが、最近はそれが当たり前になりつつある。自分でも不味いと思う。本当に3.11の時のようだ。しかし日本はマスク2枚だけというのが真実なのか残念だ。

先日の雪がまだ溶けずに残る道を歩いて出勤する。国道の車の往来もまばらで寂しい風景だが、空気はひんやりして気持ちいい。

10時前に着いたアイヌコタンの店は皆閉まっていて、本当に冬のようだ。

こう人の移動がなくなると、一日待って小団体や一見さんを待つという営業戦略が、特にこの山奥では通用し辛くなる。ここ数年の中国台湾や欧米のお客さんにいかに助けられてきたかをつくづく痛感するが、無くなってしまったものを嘆いても仕方がない。

しかしそれでも店を開ける以上、仕込みはやらないといけない。悪くなるものだけに悩ましい。

12時少し前に女性が「いいですか?」と入ってきたので開店。ありがたい。実はその人は佐竹さんの後を継いだ道新釧路の人。偶然だが、その次に来た男性は共同通信の人だった。

結局その後小団体が2組入り、ありがたいことにそれなりの売り上げがあった。やはり一応は開けるものだ。

引けたあと栄子さんとお母さんが来る。人が集まればコロナの話だ。北海道の田舎は今のところ平穏だが、それだからこそ、他所の感染エリア(という考え方も本当はおかしあんだけど)から人が来ることに対する警戒感や恐怖心が広がっていることを会話から感じるが、差別や権利の問題に長年取り組んできた栄子さんは、そういう差別感情(と彼女は明言)の問題点を明確に指摘していた。やはりこういうことは学歴などでは決まらないんだな、と思う。芯となった知性と教養を持つ人を尊敬する。

夜の8時からノリムラ氏と札幌の家具屋さん2人、廣志さん、かよちゃんとちなつちゃん、あとからお父さんとお母さん、アゲとエミも来て、楽しい飲み会に。みんなムックリを演奏してた。久しぶりに日本酒を飲んだが、どうやら頭や首の調子はだいぶ良くなったとみえて、痛みは起きなかった。