歩論野亭日常

阿寒湖の辺りで

2020年4月12日

今日は久しぶりにぐっすりと眠れた。夢の記憶もない。目覚めたらとてもいい天気だ。青空と森と雪のコントラストを楽しみながら出勤。

店についてまずは、と血圧を測ると結構高い。しかし正確に測れていない可能性もある。

貰った行者ニンニクを卵とじにし、納豆ご飯と根深汁。ここでおかわりをしてしまうからダメなのだ。

薪ストーブを焚きに店前に出ると、隣の平間さんが大工仕事をしているのを娘さんが眺めている。「特殊メイクの仕事、すごいね」と話しかかるとキョトンとしているので勘違いに気づく。それは彼女の妹さんで、彼女は確か学校の先生だった。気まずい想いでコロナの話をしていると、平間さんがノコギリで手を切る。娘が馬鹿ね、というと「俺なんかもうポンコツだ。今の日本政府と同じ」という。何気ない言葉だけど、政府への失望と不満と、なんというか、自分への無力感を感じたように思う。というよりも、そういった気持ちはわかる気がするのは、自分にもそういう思いがあるからだろう。人を鏡に自分を見ているということか。

厨房に戻りオハウに火を入れながらTwitterを見ると、安倍総理がソファで犬を抱き紅茶を飲みながら「部屋で落ち着きましょう」という動画を上げたらしく、炎上していた。社会に緊急警報が鳴り響き、政府の無策無能と自粛の要請とやらで職を失う人がたくさんいる中、欧米の普通の国ならば致命的な失敗だろうが、残念ながら日本はそうではない。サイコパスに共感を求めても無駄なのだ。

店を開けてしばらくは人っ子一人見えなかったが、13時を過ぎた頃に予約のお客さんがやってきた。いつもたくさん食べてくれるありがたい親子のお客様だ。今日はお母さんまで連れてきてくれた。本当にありがたい。

それを皮切りに今日はまあまあ忙しく、ほっと一安心。はなちゃんが来てくれて松本君に渡したかった本をお願いする。

客足が引けたので、昨日の夜に約束していたキャッチボールをちなつちゃんとナベさんと、後からロストカムイのダンサー君としばらく楽しむ。首をやって以来、実に一月半ぶりぐらいの運動だ。とても楽しく、気持ちよかったが、だんだん首が病んできたので先に帰る。

店に戻るとすぐに来客、そのまま閉店の21時まで客は切れなかった。アイヌ工芸協同組合の新入り君にちなつちゃん、ダンサー氏、共同通信記者氏がカウンターに並んでいろいろな話をして楽しかったが、皆が帰ってTwitterを見て札幌市が再び外出自粛を決定したことを知った。本当にこれから、どうなってしまうのだろうか。