記録的な大雪の冬も終わり、
打って変わって暖気の4月5月には急ぎ足でいっぺんに山菜が生えてきて、
バタバタと山菜採りに追われた春も峠を越えて、
もう阿寒の山々は濃い緑に覆われている。
そして息つく暇もなく、明日は待ちに待ったラビラビさんたちの阿寒湖ライブだ。
去年はアイヌシアターイコロでやってくれたラビラビさんだけど、
今年は4年前の3月以来となる、オンネチセでのライブとなる。
4年前の3月5日に阿寒湖で行われたラビラビとマレウレウとのジョイントライブは、
北見の友人、ブッチャーと俺で企画した。
(元気にしてるかい?ブッチャー)
「ライブにはぜひ、キャンドルジュンさんのキャンドルを使いたい!」
という彼の強い思い入れで、
俺たちはジュンさんが来るという夕張映画祭まで走り、
ジュンさんにお会いして、彼のキャンドルアートの物凄さに打ちのめされ、
その蝋燭をお借りして、意気揚々と阿寒湖に戻ってきたものだった。
オンネチセでのラビラビさんたちのライブの素晴らしさはもちろん、
ジュンさんのキャンドルもとても良かったと感じている。
終わって次の日は北見、そして札幌と回ったラビラビさんたちは、
3月10日に苫小牧の名店、ber oldさんでライブ。
翌日、北海道ツアーを終えたラビラビさんたちは、
本州へと下るため、苫小牧からフェリーで八戸港へ。
それは多くの人々の運命を大きく変えた、2011年3月11日ことであった。
その日の午後に起きたの未曾有の災害と混乱、
俺の故郷である岩手県も飲み込んだ破壊と悲劇は、未だに生々しい。
ラビラビさんは30分の差で、辛くも八戸港を襲った津波を免れたという。
震災以降、キャンドルジュンさんが主に福島で今なお続ける支援活動。
俺の中で、平和ボケのまどろみの中にいられた最後の時代の中で行われた、
前回のオンネチセでのライブは、こうした記憶と共にある。
今日苫小牧のoldさんでラビラビさんたちはライブをし、
明日阿寒湖へとやってくる。
ちょうど前回と逆ルートだ。
明日の夜俺は、この4年を噛み締めながら、オンネチセでのライブを感じることになるだろう。