歩論野亭日常

阿寒湖の辺りで

冬の太陽

極寒の季節の太陽は神々しい

夜明け前の寒さに張り詰めたような暗闇を

様々な種類の黄金色の光で駆逐して

圧倒的な荘厳さで

地平線から太陽は姿を現す

あの音も時間も止まったような時間では

古代より太陽が崇拝される理由を

人は難なく納得する事ができる

朝から晴れて暖かかったのに

曇って肌寒くなってしまった

太陽のありがたみを本当に実感できるのは寒い季節である

光の中では光を見る事はできないように

寒い夜の古代人や

雪解けと生命の芽吹く時をじっと待つ

雪のなかのすべての動物達のように

寒さと暗闇のなかではじめて

太陽のありがたみがわかるのだ