歩論野亭日常

阿寒湖の辺りで

最近見た映画

今年の冬はあったかいね。

北海道風にいえば、「しばれがゆるくてわや」だ。

昨日なんて、なまらあったかくて、雪かきもゆるくなかったわ。

気候のバランスは、なんだかやっぱりおかしなことになってそうだね。

しかしそれはそれ、これはこれってわけで、

世界の問題になんて、いまいち当事者意識を持てない。

おそらく人類史上最高の大浪費時代における、先進諸国一市民として、

ただただぼけーっと生きる、宇宙の泡のような私。

ガソリンも電気も、生き物の命も、無自覚にひたすら消費をしながら、

バビロンシステムの犠牲者たちの頭を踏みつけながら、

そしてそんなこと言いながら、

変わりない日常を過ごしているぜ。

早く定額給付金くれねーかな。3億円ぐらい。

こないだゲバラの映画に観にいってきた。

最初のやつをもちろん観たかったけど、

釧路のワーナーのシネコンについてみたら、後編のほうしかやってねー。

まあいいや、一応彼の伝記はざっと読んでるし、ってな感じで席に着く。

なんだ、あんま人入ってねーじゃん。

スクリーンでは、毎度うんざりする違法撮影撲滅プロバガンダと、これでもかの商品宣伝。

俺ほんとにゲバラの映画観にここにいるんだろうか、と考えてしまう。

つーか、ハリウッドがゲバラ! 上映はワーナー! アメリカ資本主義恐るべし。

予告編では007! ゲバラの真逆の立場のやつじゃん。何考えてんの?

すげーよ、資本主義。欲求はすべからく満たされなければならない。

そのうち金正日が主人公とか、チャベスが主人公とか、

ビンラディンが主人公の革命テロ映画とかもあるかも。

まあ、ビンラディンは簡単そうだな。もう何度も偽映像作ってるわけだし。

話は変わるが、去年のびっくり怪獣映画「クローバーフィールド」も、

911エクスプロイデッドな手ぶれカメラ映像で、

あれを映画館で観たときも、911すらアトラクション化してしまうハリウッドにはたまげた。

まあ、まじめに分析すれば、

元となる日本の「ゴジラ」は、原爆が生み出した怪獣であり、

原爆や地震や台風などの、日本を襲う人知を超えた災害を具現化したものだと理解しているが、

クローバーフィールド」もまた、未知の存在に理由も不明なまま破壊されるマンハッタンを、

ビデオカメラでで現場の当事者が撮影するという手法はまさしく、

911以降、得体のしれない恐怖におびえるアメリカ人心理が生み出したものだともいえる、かも。

ああ、スピルバーグの「宇宙戦争」なんかもそうだね。

話を戻すと、そんな感じで待っていたら、突然スクリーンが真っ暗に。

だけど音だけは東国原知事、もとい、そのまんま。

日本人らしく、みなじーっとしばらく暗闇で待つが、やっぱり東国・・・そのまんま。

一人が外に出て行って、ちょっとしたら明るくなり、ワーナーのスタッフが。

マシントラブルであり、もう少々お待ち下さいとのこと。

こんなこともあるんだね、なんて思いながら20分ほど経過する。

その間、なぜかスクリーンでは、売店で売っているフード類の宣伝が繰り返し流れている。

まったく呆れたね、これには。

いらいらし始めていたころ、またもやスタッフが。

あと20分ほどしたら、おそらく原因が分かるので、その時いけるかいけないかがわかる、とのこと。

ちょっとびっくりしたね。

そんで外に出て、20分後に戻ってきて、受付に「いけそうですか」って聞いたら、

「もう始まってます」

映画のほうは、なんちゅうか、キューバ革命はいかに奇跡的だったか、というのが逆説的にわかる内容でした。